そして伝説の地へ
~イスラエル(後編)~
2021.1018
2016年10月。コワイけど行きたいと思っていた、イスラエルへの旅が叶いました。
成田から出国してトルコ・イスタンブールで乗り継ぎ、ついにイスラエルへ到着。玄関口である空港は、インターナショナルな雰囲気をかもしつつ、その国らしさも垣間見える非日常の空間。緊張感と安堵感を抱えながら、クーラーの効いた空港を出て、むっとした空気を吸う瞬間がたまりません。
わたしが訪れたときのイスラエルは、観光客も多く、案外穏やかでした。もちろん日本のように、夜も一人でのほほんと歩けるわけではないけれど。
到着した翌日から、現地在住の日本人女性がチャーターしたミニバスに乗り込み、キリストや聖母マリア、マグダラのマリアにまつわる地を巡りました。デーツの実がたくさん落ちていたメギドの丘。聖母マリアが大天使ガブリエルから啓示を受けたという受胎告知教会。キリストの伝承が多く残るガリラヤ湖、そのほとりにはマグダラの村も。
キブツと呼ばれる共同村のホテルに泊まったり、聖なる山でクォーツの原石を拾ったり。なんだかゲームのクエストのような。
死海文書の発見された洞窟を歩きながらゼーレのシナリオに思いを馳せ、嘆きの壁ではついもらい泣き……。現実と妄想の入り混じった旅路です。
そして旅の(私的)メイン、エリコの町と聖地ベツレヘムへ。
パレスチナ自治区にあるエリコ(jericho)は、世界最古の町ともいわれる砂漠のオアシス。道路のサイン(看板)が、ヘブライ語からアラビア語に移り変わるのも新鮮です。キリストが悪魔から誘惑を受けたという山にロープウェイで登り、乾いた風をゆっくりと吸い込みました。
キリストの生誕地・ベツレヘムでは、生誕教会内の「キリストが生まれたとされる場所」が信者で長蛇の列。すると、アラブおじさんが話しかけてきて、お金(ワイロ)をくれれば抜け道を案内するよ、と。こうして効率的に(?)伝説の地をチラッと拝むことができたのでした。
旅をすると、それまで描いていた世界のイメージが書き換わります。コワイと思い込んでいたイスラエルは、食事が美味しく、人々はたくましく、伝説と祈りと生活がごちゃまぜになったワンダーランドでした。
人が何かに恐れを抱くとき、無知や経験の有無が関係していることが多いように思います。調べてみること、足を運ぶこと、身体で感じてみることは、コワイをオモシロイに変換させる魔法のアクションです。
ek 旅が好き。のんびりも好き。日々のくらしをよりよく、すこやかに愉しむヒントをお届けできればうれしいです。